先輩×後輩 対談

第2回 先輩×後輩 対談 「良い出会いを通じてお互いの向上に繋げたい」

2021年10月

老舗・守り続けること

葛城

こんにちは。今日はお忙しい中ありがとうございます。
よろしくお願いします。

坂下

どうぞよろしくお願いします。

葛城

早速ですが、女性会に入ろうと思われたきっかけについてお聞かせ下さい。

対談

坂下

私の母が1984年に入会させていただいたのですが、働く女性が地域社会に貢献していらっしゃる姿を女性会の皆さまを通して目の当たりにしまして、感銘を受けました。
それで、こんな私でも何かお役に立つことがあるかと思い、入会させてもらえるか母に尋ねたのがきっかけとなりました。

葛城

女性の経済団体というのは唯一商工会議所女性会で、全国に417女性会、会員数22,000人余りの基盤のしっかりした団体ですので、そんな中に志を持って入っていただいたというのは、本当に嬉しいことだと思っております。
お仕事のことをお聞きします。創業何年になられますか?

坂下

おかげさまで、創業330年を迎えさせていただきました。
創業は江戸時代の元禄年間です。現在は弟で15代目となります。その元禄年間の頃というのは、聖護院から熊野神社の辺り一体に森がひろがっていて、「聖護院の森」と言っていたそうです。聖護院村の庄屋だった西尾の先祖が、その熊野神社の門前で茶店を出し、ニッキのかかった白餅というお餅を旅人にお出ししていたのが八ッ橋の始まりであると聞いております。梅林茶店という名前だったそうです。

対談

葛城

そうですか。初代から受け継いで来られた暖簾と精神は脈々と330年の歴史を紡いでこられたのですね。
コロナ禍で社会的、経済的な活動が留まってしまいましたが、商いを続けていく厳しさの中でご苦労された点はありますか?

坂下

このコロナ禍においては、まず政府の支援金や助成金について調べて勉強しました。やむなく休業や時短営業、スタッフにも自宅で待機してもらったりしました。当初はそういったことしかできませんでした。収入はないけど会社は回っていますから、無駄を省くことについて徹底的に見直しました。全員一丸となって「今は会社を守らんならん時や」と皆にそう思ってもらえたのはいい機会でもあり、また有りがたいことだと思いました。

葛城

足元を見直す機会としてとらえれば、コロナ禍も無駄ではないと前向きに受け止めていらっしゃるのはさすがですね。
このコロナ禍の時短要請で制約も多くありましたが、工夫されたことはありますか?

対談

坂下

私は本社の東側に隣接した「西尾八ツ橋の里」でお昼のお食事処を担当しております。お弁当をお出ししておりましたが、お弁当は余ると無駄が出るので一旦休止して、メニューを見直し麺類のみに切り替えました。今まで定休日は設けていなかったのですが、時短営業でスタッフをうまく配属するために月曜を定休日にしました。

時代の波に流されず原点に戻る

葛城

「西尾八ツ橋の里」はお庭や建物も含めて楽しませていただけるところですね。
これから工夫していきたい点はありますか?

坂下

コロナ禍以前はインバウンドという言葉もよく耳にして、海外のお客様が来られたらどんなことをしたら喜ばれるかなと考えていましたが、このコロナ禍でそのことから少し遠ざかってしまいました。これからは原点に戻ってお客様に対して心から接する、そういう心・気持ちを大事にスタッフのみんなと頑張って行けたらなと思っているところです。

葛城

コロナをきっかけに、流されずにもう1回原点に戻って初心を忘れずということですね。ご先祖さまから受け継がれた、ご自身の芯になるようなものはありますか?

対談

坂下

うちには“陰徳を積む”という家訓がありまして、小さい頃からその言葉をよく耳にしていました。母が80歳を迎えるくらいの年に「この年になってようやく“陰徳を積む”という意味が分かったような気がするわ」と。私も小さい時から聞き覚えのある言葉ではありますが、いつか本当の意味が分かるように精進していけたらいいなと思います。

葛城

差し支えなければ、ご趣味についてお聞かせください。

対談

坂下

私は小さい時から井上流の舞のお稽古をさせてもらっていて、やはり日本の伝統芸能に興味があります。お能や歌舞伎を観るのも好きですし、舞妓さん芸妓さんが舞われるお舞台を観せていただくのも好きです。5年ほど前から篠笛も始めています。篠笛は本当に難しくて、きれいな音がなかなか出ないのですが、今は夢中になっています。家ではカルトナージュといって、厚紙を箱の形にしてそれに生地を貼っていくもので、ジュエリーボックスとか眼鏡ケースを作っています。

女性会の魅力をこれから
対談

葛城

お仕事だけではなく、私生活のご趣味も本当に豊かですね。

女性会は異業種の団体でいろいろなお仕事の方がおられますけれど、これからどういう風に周りの方と関わっていこうと思われますか?

対談

坂下

私が入会させていただいたのは2019年の5月で、それから間もなくコロナ禍になってしまったので、やっとこれから皆さまにいろいろなことを教えていただけるスタートラインに立てたかなと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします。

葛城

これからも、女性会が時代の流れに添って変わるものと変わらないものを大切に、しなやかに変化しながら新たな視点を見つけられるそんな場であればいいですね。
さまざまな活動と交流を通して前向きなエネルギーが生まれる、そうしたご縁を繋げる出会いも女性会の魅力のひとつだ思います。今後のご活躍を期待しています。

対談