会務報告

第90回 会員サロン

月 日:令和4年4月26日(火)
時 間:11:30~13:30
場 所:京都ブライトンホテル
演 題:「文化庁の京都移転と文化政策について」
講 師:高田 行紀 氏 (文化庁地域文化創生本部 事務局長)

内 容
 第90回会員サロンは、「文化庁の京都移転と文化政策について」をテーマに、高田行紀氏にご講演いただきました。
 まず葛城会長の挨拶に続き、守安委員長から「現在はグローバルな世界になっているのに、閉塞感を感じています。美意識、伝統、芸術、文化、それは京都のお家芸。ここで文化庁をお迎えし、市民の生活に取り入れさせて頂くことは、コロナを乗り切り、京都の企業人として再生する良いチャンスと考えます。」との今回のサロンの開催主旨説明がありました。
 続いて高田行紀氏のご講演は、(1)文化庁の京都移転と機能強化 (2)文化と経済 (3)文化財の保護と活用 ~文化と観光~ (4)生活文化の振興 (5)今後の文化行政@京都 という5つの視点からのお話でした。
 京都が文化庁の移転先として選ばれた経緯としては、もともと文化財が沢山あり、文化的意識が高い土地であることや、イノベーションを起こしていく新しい価値観と多様性を包摂できる土地であることなどの理由があります。そして文化庁の移転により、今後はさらに、文化財の保存や活用への投資を強化することで、文化の価値を高めるとともに国民の幸福度を高め、それをまた海外へ発信、さらには文化GDPを高めていく方針だという内容について、丁寧にわかりやすくお話していただきました。
 ご講演後の質問では「文化庁が京都の経済界や市民に期待されることは何か?」という問いに対し、「今までも経済界には色々な形でご支援いただいているし、引き続き文化を愛する京都でいてください」とのご回答をいただきました。
 また、「文化保存と経済力の両立、特に文化財が外資に買い取られるケースが増えていることについてどう思われるか」との質問には「開発優先か文化優先かということについては、難しいテーマだが文化庁としては文化財保存について出来ることに最善を尽くしたい」とのご回答でした。
 様々な側面からのご講演で、経済人としての気づきを得ることができました。

【参加者44名(うち事務局2名)】
担 当:文化・経済委員会